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ラにだけ補助をするということをやっておられたり、東急系の五島記念財団なんかはオペラだけに出すとか、そのほか、セゾン財団は演劇に出すとか、そういうふうに大体守備範囲を決めてやっているというところもあります。三菱信託の財団みたいに総合的にいろんな事業に対して助成を出すという財団もありますし、最近、芸術団体はこれでかなり潤っているわけです。
あとは、先ほどもちょっと申し上げましたが、企業メセナというのがこのごろ盛んに言われるようになって、企業の文化支援も盛んになりました。メセナというのは、文化芸術に対する寄附金ということで、これは、いわゆる金は出すけれども口は出さないというお金のことだと思います。ですから、本当の意味で日本の企業がメセナ的にお金を出しているというのは、あるいはまだ少ないのかもしれません。これはビジネスゾーンの方に出てくるんですが、企業協賛というのが下の方に書いてあります。この企業協賛というのは、完全に広告宣伝という1つのメリットを求めて行う協賛でありまして、これはちょっとメセナとは違うと思います。
そこに点線があって、その左側を私は文化運動ゾーンというふうに書いたのはどういう意味かといいますと、これは公益的な仕事をしていますので、大体公益法人、財団法人ですとか社団法人ですとかという形をとっているのが多いんです、つまり、その点線のところに「コストを割って提供」という言葉が書いてあります。これはどういうことかというと、オーケストラの場合ですと、そこから斜め上に線が行っていて、出演料と書いてある線、それから斜め下に行っている出演料と書いてある線がございますね。こういうふうに、ほかの主催者のところヘオーケストラが出演料をもらって出演をするというケースと、それから自主公演、自分で切符を売って、その切符の売り上げによって収入を得るというケースと2つあるわけです。
つまり、オーケストラというのは、ちょっと考えてみますと、例えばN響ならN響というオーケストラがあります。N響は、今大体年間経費でたしか26億円くらいかかっているんじゃないですか。これは非常に単純な計算で、N響今、年間で130回から150回ぐらいの演奏をやっています。これは、オーケストラとして、限度の回数です。コスト計算をしてみると、26億円ぐらいかかっていて、150回やっているというと、割ってみますと、とにかく1回につき1000万円を超えますね。1回の単価は1700万円位になりますか。そうすると、N響は、仮に自主公演というのをやるとしたときに、今のコストでいうと、1回演奏するのにコストとして1700万円ぐらいかかるんだから、それを仮に1700人の小屋

 

 

 

 

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